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2005/07/28

スペースシャトルは安全か

sts114
(Photo: NASA)
ライターの坪田敦史です。
スペースシャトル「ディスカバリー」の打ち上げを見守っていました。
当初5月の打ち上げ予定だったので、実はアメリカへ取材に行く準備を前からしていました。しかし、7月に延期になり、私は都合が付かず断念。

でも今回は2500人以上の報道陣が来ているそうで、プレスセンターはごった返してるとか。海外メディアは、取材も一部制限を受けているようだし、打ち上げは結局2週間近く遅れてしまったので、行かなくて良かったかと・・・。

知り合いのジャーナリストは当初7/13打ち上げ予定のため現地入りしていましたが、本人含め海外から来ていた取材陣の多くが打ち上げ前に帰ってしまったそうです。無理もありません。ずっとフロリダに滞在していられるだけの時間と資金に余裕のある記者はそういないでしょう。
とはいえ、シャトルの打ち上げ遅延は珍しいことじゃないので、取材に行くなら、フロリダ観光も兼ねて(!?)、余裕のあるときに行きたいものです。老朽化したシャトルの打ち上げは、今後そう多くはないだろうから、一度は見ておかないと!

さて、事故後のリトライということで、安全面でやはり心配ですよね。

ただ私が論ずるなら、「心配には及ばないよ」と言うことができます。その一方で、「いつも心配であるはずの乗り物なんだ」ということも言えるんです。このことは以前、雑誌記事に書きました。

心配ないと言えるのは、前回のコロンビアの事故は、かなり軽微な損傷が拡大して起きた偶然が重なった事故だったからです。今回メディアは、耐熱タイルや断熱材にばかり注目していますが、同じような原因で再び事故が起きる確率は少ないのです。対策もこの2年間で十分施したでしょうから、おそらく今回は安全に帰還できることでしょう。

しかし、今回の打ち上げは、まだ通算114回目です。そのうちチャレンジャーとコロンビアの2回が大事故を起こしました。約50回に1回は事故を起こす乗り物だということを素直に受け止めれば、シャトルは、はっきり言って安全な乗り物ではありません。この事実をみんな忘れているんです。宇宙開発は、まだまだ危険が伴う「冒険」なんですよ。

スペースシャトルは基本設計がだいぶ古いので、今後そう長く運用し続けるべきではないでしょう。いろいろな安全対策を施したとしても、まだ見抜かれていない不完全要素がどこかにあるはずで、それが不運によって、アクシデントを招く可能性はあります。単純に確率計算をすれば、あと50回くらい打ち上げると、また不運がやってくる?

早々にシャトルの後継機を開発すべき! 現代の技術でなら、かなりいい宇宙船が作れると思います。

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