航空ジャーナリストの坪田敦史です。
最近、航空機事故が続いており、こちらも情報収集や分析などでバタバタしています。
先日、名古屋空港でF-2戦闘機が墜落した事故は、本当にびっくりしました。ちょうど、現在発売中の月刊『航空ファン』(12月号)に、「F-2の現状と将来」と題した記事を6ページ書いたばかりです。
“F-2は失敗作”とか、マスコミはあまりいいことを書かない傾向があるのですが、私は専門家として、プラス面についても、きちんと書くようにしています。決して悪い飛行機ではありません。
『航空ファン』の記事中で、私はこう書きました。
「F-2が1995年に初飛行してから、墜落事故は1回も発生してない。開発作業ではトラブルも多かったとされるが、事故が起きていないことは、幸いというか、実は驚くべきことなのかもしれない。戦闘能力の賛否両論はあっても、機体そのものの信頼性が高いことは実証したといえる。「単発機は危ない」とか言っていた人は、この実績を改めて認めるべきだろう。国民にとって安泰な戦闘機である。ちなみにF-15は最初の10年(1980年~1990年)で5機失った。」
しかし、今後、このくだりは入れることができなくなってしまいましたね....。
今回も、新聞社やTV局などからの問い合わせが私のところに何件かありました。
航空事故は明るい話題ではないし、原因とか人的ミスとか、そういう話は軽々しくできることではないので、記事やコメントを求められると、非常に複雑ではあります。自分的にも気持ちよくできる仕事じゃないですからね。
だからと言って、事故ネタを避けてはいけません。
数々の事故を教訓にして、現代の飛行機の安全が確保されていることは事実で、そうした方向から発展的に考えるようにしたらいいと思います。
航空ファン2007年12月号(文林堂)
http://www.monomaga.net/wpp/shop/ProductDetail.aspx?CD=C0000011&WKCD=&sku=200712
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